今、青梅の杜は、キイチゴの花が満開です。
通常、キイチゴと言えば、このモミジイチゴ
清楚な純白の花が、少し恥ずかしげにうつ向きがちに咲き匂っています。
花の美しさだけでも十分なのに、その上、この花は、やがて、こんなに美しく美味しい実に。
(2011年撮影の果実 )
親戚には、ニガイチゴというキイチゴがあります。
こちらはやや小ぶりの花が上向きに開きます。
この花もやがてこんなに可愛らしい美となって、人々の目と舌を楽しませてくれます。
モミジイチゴの実がトパーズなら、こちらは小粒なルビーと言ったところでしょうか。
(2012年撮影の果実)
青梅の杜ではキイチゴ類の花の美しさを惜しみ、もちろん、おいしいキイチゴも食べたいので
キイチゴ類はできるだけ保護しています。
先日、まだキイチゴたちがつぼみをつけていた頃・・・
森に入ったある老婦人がトゲに刺されたのが腹立たしかったのでしょうか、
何故、この森はこんなトゲのある木をたくさん生やしているのかと抗議されていましたが
その人には是非、この花々を見せてあげたい。
もちろん、これらの花たちは人間の目を楽しませるためだけに存在している訳ではありません。
花は虫たちに蜜と花粉を、
実は鳥や獣達に貴重な食料を提供しています。
ニガイチゴの花から蜜と花粉を集めているセイヨウミツバチです。
これらの虫達のおかげで、キイチゴの花が受粉ができ
おかげで私たちや鳥やテンがおいしい実を食べられる訳です。
一つの共生の形ですね。
そして、この時期に咲いている山のイチゴをもう一種
白くやや大きな花を咲かせているのは、クサイチゴ
その名の通り、背が低く草のように見えますが、
これでも立派な木本、キイチゴの一つです。
初夏に実る赤い実は、爽やかな甘さで
モミジイチゴにもひけをとりません。